大阪学「枚方市立鋳物民俗資料館」フィールドワーク報告
2022年09月22日(木)
9月16日(金)の大阪学は、「鋳物技術と枚方の古い暮らし」をテーマに、枚方市立旧田中家鋳物民俗資料館をフィールドワークしました。
田中家は、古くから旧河内国枚方村で鋳物業を営んだ家で、江戸時代を通じて日常生活に使う鍋・釜や農具のほか、寺院の梵鐘などを鋳造していました。明治期になり、日本各地に近代工場がつくられても、伝統技術を守って営業を続けましたが、昭和35年に惜しまれながらも廃業しました。枚方市では、田中家から鋳物工場と主屋の寄贈を受け、国内唯一の鋳物資料館として整備しています。
見学は学芸員吉川氏の案内で、工場からスタートし、高温になるので細長い建物の土壁に多数の格子窓を規則的に配して、風通しをよくしていることや、金属を溶解するためには、炉内を高温に保たねばならないので、蹈鞴(たたら)を使って風を送ることで、炉内の温度を上げるため、蹈鞴の踏板を交互に踏むのは大変な重労働であったことの説明があり、生徒たちは先人の知恵に感心しきりでした。また、主屋の見学では、間取りは一般の「田の字型」になっていますが、防火のために屋根に瓦が葺かれていた点は、周辺民家と異なっていることの説明がありました。